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猫の腎臓病:第2回

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こんにちは。かなくぼ動物病院 院長の金久保です。
今回は「猫の慢性腎臓病」についての2回目です。

2-1. 猫の慢性腎臓病の症状について

猫は元来あまり症状を表に出さず、また慢性腎臓病はゆっくりと進行する病気であるため、飼い主さんがその症状に気づきにくいという側面があります。その一方でなるべく早い段階で治療を開始することが望ましいため、飼い主さんがその異変にどれだけ早く気づけるかが重要だったりします。猫の慢性腎臓病にはほぼ共通した症状があります。泌尿器症状、消化器症状、その他の症状に分類して、それぞれを説明しますので、ご自宅の猫ちゃんが当てはまらないかどうかよく観察してあげてください。

泌尿器の症状

やはり腎臓病ですので、泌尿器の症状が現れます。とはいえ、血尿や尿の匂いに異常が出るなどのはっきりした症状が出るわけではありません。最もよく生じる症状は「多尿」です。腎臓は水分量の調整を行う臓器であり、基本的には少量の水分にたくさんの老廃物を詰め込んで濃い尿を作っています。しかし腎臓病となり腎機能が低下すると、この濃い尿を作るという機能が低下し、薄い尿しか作れなくなります。尿の濃さは尿検査ではっきりとわかりますが、ご自宅で多くの飼い主さんが気づかれるのが多尿(尿量の増加)です。多尿には一回の尿量が増えるタイプもあれば、頻繁に排尿する頻尿、トイレに間に合わずに起こってしまう尿失禁(おもらし)などが見られます。また尿の匂いや色が薄くなるため、「水のようなおしっこをしている」と言われる飼い主さんもおられます。

消化器の症状

消化器症状は、腎臓病で動物病院を受診する一番のきっかけになる症状で、主に食欲不振、嘔吐、便秘(時に下痢)がみられます。腎臓病なのに消化器症状が出る理由は複雑なのですが、ざっくりと説明しますと、腎臓から排出されるはずの有毒な老廃物が体内に溜まることで、それが胃腸に作用し、正常に働けなくなることによります。胃腸が正常に動かなくなれば、当然食欲は落ちますし、さらに進行すれば嘔吐が起こります。また尿量が増加することで脱水を生じるため、便が硬くなり、排便困難から便秘を起こすようになります。

貧血

「腎臓病でなぜ貧血?」と思われると思いますが、腎臓に血液量を調整する役割があるということがおわかりいただければ、納得いただけると思います。血液の中の赤血球の量が減少すると腎臓はそれを検知し、造血ホルモン(エリスロポエチン)を分泌します。これは血液を作る骨髄などに作用し、新しい赤血球を作るように指示を出します。腎臓病ではこの造血ホルモンを分泌する機能が低下するため、新しい赤血球が作られづらくなります。そのため結果的にはジワジワと貧血が進行していくことになるのです。

皮膚や被毛状態の悪化

これら症状は上記の症状の結果生じるものですが、脱水や栄養状態の悪化から、皮膚や被毛の状態が悪くなり、毛がバサバサしたり、ふけが増えたりといった状態になります。また元気がなくなることで毛づくろいを行わなくなることも要因の一つといわれています。

本コラムの内容は,読み物の意味合いの強い一獣医師の私見であり,「悩んでいらっしゃる飼い主様のちょっとした助けになれば」ということを目的に掲載しております。そのため,この内容を獣医学的に保証するものではありませんし,学術論文のような内容の裏付けも行っておりません(古い情報,誤った情報も含まれていると思います)。本コラムを参考にされる際には,この内容を鵜呑みにせず,必ず信頼できる獣医師とよく相談の上,病気で苦しんでいる動物たちに最も良い治療法を探してあげるようにしてください。このコラムがその助けになれば嬉しく思います。

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